2008年度夏の学校代表挨拶
校長 西谷 洋之
 皆さん、こんにちは。今回で天文天体物理若手夏の学校は38回目を迎える事となりました。
長年に渡って夏の学校が続いてきたのは、その時々の天文・天体物理分野の若手研究者のニーズに応え、有益なものであり続けたからではないかと思います。
今回の夏の学校も若手研究者のための研究会としてより良いものとなるように整備し、準備を進めております。
夏の学校は合宿形式です。多くの人の話を聞き、議論し、語り合う事を通じて見識を深めることができると思います。
皆さんのご参加をお待ちしております。
教頭 萩原 健三郎
 はじめまして、2008年度夏の学校の教頭を務める、萩原です。

 私は、今回の夏の学校で5度目の参加となります。なぜ私が毎年参加しているのか?
それは、夏の学校が幅広い知識に触れられる場である事は勿論、
高原地などで開催される合宿という非日常の中で、全国の若手研究者達と
時には朝まで議論し、交流を深める事が他では得がたい経験だと感じるからです。
 今回ホスト側での参加となる私ですが、私がこれまでの夏の学校で経験した事を基に、
これまで以上に皆さんにとって有意義な夏の学校となるよう、事務局一同努力させて頂きます。
事務局長 沼田 和俊
 こんにちは、2008年度天文天体物理若手夏の学校の事務局長を務めます、沼田です。
今年度の夏の学校は、01,02地区の有志が運営していくことになりました。
 毎年参加している方も初めての方も、皆有意義に感じられるよう、そして次の年も夏の学校に是非参加したいと思える4日間になるよう、事務局一同努力していきたいと思います。
今年度も数多くのご参加をお待ちしております。
夏の学校とは
  1. プレゼンテーション能力の育成
    コミュニケーションによる情報の往来は社会の発展に中心的な役割を果たしてきました。現代ではその形態は様々ですが、依然としてその重要性に変わりはありません。 このコミュニケーションを行う際に求められる能力は、相手の意図を汲み取るデコーディング能力と、自分の考えを相手に伝える手段としてのプレゼンテーション能力です。 特に研究者を志す者にとって、研究内容を分野を問わず多くの方に理解して頂く為には必要不可欠な能力です。 本校は、 100名を超える非常に大勢の方を相手に研究発表を行える数少ない機会です。 我々は、この様な機会を通してこの能力の育成に最適な状況を、参加者に提供できると考えております。

  2. 分野にバインドされない広い視野を養う
    これまで天文学・天体物理学は、宇宙の原理を解き明かすことを目標に、多くの人々の働きにより発展してきました。 現在、これらの研究分野は非常に多岐に渡っており、研究者にとって幅広い知識が求められる時代になってきました。 しかし、一研究者が研究を通じ習得する知識は限られており、専門分野以外の知識に触れる機会は、本来必要とされるものより圧倒的に少ないのが現実です。 本校は、宇宙線、観測機器、銀河・銀河団、コンパクトオブジェクト、星間現象、相対論・宇宙論、太陽・恒星、惑星系、天文学と社会、天文学の舞台裏といった各専門分野を扱うセッションを設けております。 こういったな複数のセッションに参加することで、他分野の知識が深まり、現象を新たな角度から捉えることが可能になると考えております。

  3. 天文学・天体物理学の「今」を知る
    夏の学校では、各分野毎に、世界の第一線で活躍されている研究者の方々を数人お招きしております。 これらの講師による招待講演では、天文学・天体物理学の最先端の研究を知ることが出来ます。 また、若手研究者は自身の研究発表時に、招待講師陣から様々なコメントを頂きます。 若手研究者にとって、指導教官以外の方からコメントを頂ける機会は稀であり、想定外の新たな視点を得るなど、実りある研究発表の場となると考えております。

  4. 同世代の若手研究者と交流を深める
    夏の学校は3泊4日の合宿形式で開催されます。 開催期間中、共に生活する中で分野や所属機関を越えて友情が育まれ、お互いに良い刺激を受けます。 このような出会いが、将来、共同研究を行うきっかけになればと考えております。

  5. 研究会を運営する能力を養う
    夏の学校の運営は、全て大学院生によって行われます。 運営に携わる事で得られる経験は、将来、我々が研究会を主催する際の資金調達や、講演者、研究機関との交渉などに役立ちます。


    このような本校の趣旨に対し、多くの若手研究者が賛同してくださった結果、参加者数は年々増加し2007年度夏の学校では364名の方々が参加されました。 2008年度で38回目の開催となる夏の学校では、 400名以上の参加を見込んでおります。会場は筑波山中腹に位置する”つくばグランドホテル”を貸し切り、 2008年7月27日から30日まで開催いたします。