招待講師 | 今田 晋亮 氏 | 所属 | 国立天文台 |
日時 | 2007年7月29日(火) 16:30-17:30 | 場所 | 紫峰 |
タイトル | 「ひので」で太陽フレアの何がわかったか? | ||
アブストラクト | 太 陽コロナでは様々なダイナミックな現象が常に繰り返し起こっている。その結果周囲では高温なプラズマの加熱、加速、突発的な爆発が絶えず発生している。 「ひので」は高空間分解能、高精度な望遠鏡を搭載した世界最先端の太陽観測衛星である。多波長観測(可視光、紫外線、X線)によって、様々な温度のプラズ マを同時に観測することが可能であり、どのように高温プラズマが加熱、加速されるのか、その素過程を調べることが可能である。2006年9月の打ち上げ以 来、順調に観測を継続しており、この1年半で多くの観測成果が得られている。本講演では「ひので」がもたらした新しい太陽像のうち、特にコロナで起こる太 陽フレアについて何が新しくわかったか、そして何がまだ未解明のままなのかを議論する。「ひので」が観測したフレアの中でも最も規模の大きいもののひとつ である2006年12月13日のフレアを中心に議論を進めたいと考えている。科学的な話だけでなく、実際に「ひので」の初期の運用現場で生じた、ちょっと したエピソードなども、触れたいと考えている。 |
招待講師 | 須田 拓馬 氏 | 所属 | 北海道大学大学院宇宙理学専攻 |
日時 | 2008年7月30日(水) 10:00-11:00 | 場所 | 白雲 |
タイトル | 恒星で探る銀河系考古学 | ||
アブストラクト | 銀河系ハローには宇宙初期に誕生した星の生き残りが存在していると 考えられている。そのような星は表面の鉄組成が太陽よりも十分に少 なく(1000分の一程度以下)、宇宙の化学進化の影響が少ない星であ る。宇宙初期に生まれた星はその時点での宇宙の情報を保持しており、 銀河系の形成、進化の観点から重要視されている。 これまでのハロー星の分光観測では、表面の鉄組成が太陽の十万分の 一以下のものも2個見つかっており、宇宙最初の星の生き残りか、一回 の超新星爆発を起こして生まれた第二世代の星ではないかと考えられ ている。また、太陽や種族II星とは大きく異なる元素組成を持つ星の 起源にも焦点が当てられ、恒星進化、化学進化の観点から多くの議論 がなされている。 本講演では、恒星の観測と理論における研究の進展について紹介する。 講演者の研究グループによる理論研究の成果だけでなく、恒星の観測 や他の理論研究についても幅広く紹介したい。 |